四十雀の素人・初心者による週末農業(+α)日記

四十雀の素人・初心者による週末農業(+α)日記

福島県在住のアラフォーど素人初心者の手による週末農業(野菜・ハーブ育成)の様子を始め,県内(及び隣接県)の温泉,日本酒,釣り紀行,各種写真(野鳥,風景,猫等々)等,名産品や見所をゆるくご紹介するブログです。

歴史・伝承探訪(前田慶次・郡山市)

こんにちは,四十雀です。

今回は,郡山市に伝わる「前田慶次郎」ゆかりの場所等についてご紹介したいと思います。

前田慶次と言えば,隆慶一郎氏の小説「一夢庵風流紀」,また,同小説を原哲夫氏が漫画化した「花の慶次」で有名な,戦国時代を生きた武将です。

加賀藩祖・前田利家の甥(血の繋がりはありません。)の慶次は会津や米沢を領した上杉景勝に仕え,最後は米沢で死去したと伝わります。

実は,あまり慶次に関する資料というものは残されていないのですが,唯一,「前田慶次道中記」という,彼が書き残したとされる日記が現在に伝わっています。この日記は,慶長6年(1601年)に京都を出発し米沢に着くまでの事柄を書いたものですが,その中には,福島県内を通過したことを示す記述が残されています。

今回ご紹介するのは,そのうちの一つ,「安積山」と「安積沼」となります。

安積山は,

浅香山 かげさへ見ゆる 山の井の 浅き心を わが思はなくに」

万葉集に,
安積沼は,

「みちのくの あさかの沼の 花かつみ かつ見る人に こひやわたらん」

古今和歌集に残された場所です。小説や漫画では,超人的な武将として描かれていますが,日記からは古典嗜好溢れる人物であることが伺えます。

さて,慶次一向が,高倉(郡山市和田町高倉)へ向かうと,十丈(約300m)程の,中央に小島が浮かぶ沼があるので,里人に尋ねると「浅香(安積)の沼」と答えます(なお,同沼は現存していません。)。

また,高さ七,八丈(約210~240m)の山があり,これが「浅香(安積)山」であったといいます。
そして,それが,現在も残る「安積山公園」を指しています。

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現在の安積山公園の様子です。

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公園前の道路です。松並木が残りますが,これは旧奥州街道であることを示す名残と言えます。この道を慶次一向が通過したのでしょうか。

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公園内には,様々な立看板等が設置されています。
なお,古今和歌集に歌われた「花かつみ」,実は何の花かよく分からず,郡山市では「ヒメシャガ」としており,1877年(明治9年)に明治天皇が巡幸された際には,ヒメシャガが叡覧に供されたとのことです。

なお,「安積山」については,ここではなく,別の場所にある「額取山」を指すとする説もあり,どちらが正しいのか不明です。

ただ,この地には,前田慶次や,その後年には松雄芭蕉も訪れています。
彼はらは果たして,どのような気持ちで彼の地を訪れたのでしょうか。

参考資料
前田慶次 武家文人の謎と生涯(新紀元社
前田慶次道中記(米沢市立図書館)
その他