こんにちは、四十雀です。
今回の日本酒紀行は趣向を変え、「骨酒(こつざけ)」をテーマとしてみました。
骨酒は日本酒の飲み方の一つで、焼き魚丸ごと、または骨やヒレなどを入れたコップに熱燗の日本酒を入れて飲むというもので、フグのヒレ酒が有名かな、と思います。
勿論、フグ以外の魚でも骨酒を作ることができますが、その代表的な物の一つに「イワナの骨酒」があります。幸い、今回イワナを釣ることが出来たので、そのイワナを使い、骨酒を作ってみることにしました。
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今回釣り上げたヤマメ(上)、イワナ(下)です。これより、骨酒を作るための下ごしらえをします(なお、ヤマメも骨酒にする予定です。)。
ヤマメはそれ程ではないのですが、イワナについては表面にぬめりが多いため、塩をまぶしよくこすり滑りを取ります(その際、ついでにウロコも取ります。)。
次に、尻穴から包丁を入れて腹を裂き、内臓と血合いを取り除き、さらにエラブタを取ります。
実は、よく見るとこのイワナ、卵を持っていました(写真の腹部に残るものが卵です。)。
実は、ヤマメも卵を持っていました。時期的にまだ卵の数が少ないため何もしませんでしたが、特にヤマメの卵は湯がいた上で醤油に漬ければ珍味として食べることができます。
お腹の中を綺麗にしたヤマメとイワナです。身がとても綺麗なのが分かるかと思います。
次に、半分にしたつまようじ2本を写真のようにお腹に入れます。
そして、風通しの良い場所で天日干しとします。今回は一日、天日干しにしてみました。
今回用意した日本酒はこちら、大和川酒造さんの「純米辛口 弥右衛門」です。
写真のとおり、大和川酒造さんは「全国燗酒コンテスト2019」の「プレミアム燗酒部門」で金賞に選ばれた酒蔵さんです(選ばれた銘柄は「純米大吟醸 弥右衛門」です。)。
実は、私はあまりこれまで燗酒を嗜んだことがありません。その分、とても期待が持てます。
燗酒を作るため、実家から失敬してきた容器です。描かれているのはマンガ「ヒゲとボイン」で有名な小島功先生の河童の絵です。私のようなアラフォー世代には、「黄桜酒造」さんのCMでお馴染みだと思います。
まず、容器にお酒を注ぎ、ラップで密閉します。
そして、一度沸騰させて火を止めた鍋の中に容器を入れます。大体2~3分程度でお酒の温度は50度を越えます。
今回、一般的な熱燗の温度である50度を設定温度にしてみました(ダイソーさんで温度計を購入し測ってみました。)。
こちら、一日天日干しをしたイワナです。結構カラカラになっていました。
これを弱火で約20分、じっくりと焼きからします(5分経ったらひっくり返し、さらに10分経過後もう一度ひっくり返し5分待つ、みたいな感じにしました。)。
そして、焼き上がったイワナをコップに入れ、燗酒を注ぎ込みます。
しばらくすると、燗酒にうっすら琥珀色のような色が付きます。これで出来上がりです。
さて、飲む前に匂いを嗅いでみますと、何とも言えない香ばしい匂いを楽しむことができます。
そして一口。
ほんのり熱めの辛口燗酒の中にイワナから出た何とも言えない旨味が混じり、とても美味しく仕上がりました。何とも野趣あふれる、そんな味です。
そう言えば、地方によってはイワナからそばつゆを取るところもあると聞きます。それだけイワナはいい味がでる、そんな魚なのだな、と痛感しました。
なお、イワナの骨酒は1回飲みきりで終わりではなく、数回燗酒を注ぎ味わうことができます。
実際、今回2回、味わってみましたが、意外にも1回目よりも2回目の方がよい味がでるように感じました。
なかなかイワナを入手する機会は少ないかと思われますが、興味のある方はぜひ一度、お試しの程を。
・・・なお、本当はヤマメの骨酒も作る予定でしたが、あまりにイワナの骨酒の飲み口が良いため、ヤマメの骨酒は別の日に改めて作ることにしました。
(令和2年5月31日試飲)