四十雀の素人・初心者による週末農業(+α)日記

四十雀の素人・初心者による週末農業(+α)日記

福島県在住のアラフォーど素人初心者の手による週末農業(野菜・ハーブ育成)の様子を始め,県内(及び隣接県)の温泉,日本酒,釣り紀行,各種写真(野鳥,風景,猫等々)等,名産品や見所をゆるくご紹介するブログです。

歴史・伝承探訪(大鳥城・福島県福島市)

こんにちは,四十雀です。

今回は,福島市にある大鳥城についてのご紹介をいたします。

大鳥城は福島市北西部の飯坂町の市街地西部にあり,清流である摺上川の2本の支流に挟まれた標高約230mの館ノ山とその東麓部の舌状台地に築かれた複郭式の山城です。現在は舘ノ山公園として整備されており,アジサイの名所となっています。

f:id:sizyuukara-1979:20200724081229j:plain


大鳥城への入口付近には案内板が掲示されていました。掲示板からもかなり規模が大きいことが伺えます。

f:id:sizyuukara-1979:20200724081250j:plain


大手門旧道を上へと登ります(車で登ることができます。)。

f:id:sizyuukara-1979:20200724081311j:plain


さすが城跡,薄暗く気持ち細い旧道を登ることになります。
先の写真もそうですが,丁度アジサイの花が見事に咲いている時期で,アジサイの名所であることが伺えます。

f:id:sizyuukara-1979:20200724081344j:plain


城跡の説明版が掲示されています。
中を見て分かるように,遺構が幾つか残されています(本来はその遺構も見たかったのですが,この日は生憎の雨のため,確認することはできませんでした。)。

f:id:sizyuukara-1979:20200724081404j:plain

 

f:id:sizyuukara-1979:20200724081432j:plain


この先が本丸・・・ですが,クマとマムシに注意の看板が。どちらも遭遇したくはありません・・・。

f:id:sizyuukara-1979:20200724081510j:plain


ここが現在の本丸跡です。大分見晴らしの高いところにあります。

f:id:sizyuukara-1979:20200724081540j:plain

 

f:id:sizyuukara-1979:20200724081555j:plain

 

f:id:sizyuukara-1979:20200724081631j:plain

 

f:id:sizyuukara-1979:20200724081646j:plain

 

f:id:sizyuukara-1979:20200724081659j:plain

 

f:id:sizyuukara-1979:20200724081713j:plain


現在本丸跡には城主であった佐藤一族を祀る祠,また,文豪・吉川英治撰文の石碑が静かに佇んでいます。

伝承によれば,大鳥城は保元2年(1157年),奥州の豪族である藤原秀衡の命を受けた同族の信夫庄司佐藤基治により築かれたとされ,「生鶴一羽,城の中央に埋め本城の守護神と成す,故に大鳥城と名を負せり」とのことですが,伝承の域を出ません(信達二郡村誌)。

なお,この佐藤基治には継信・忠信という子供がいましたが,両名は源義経の従者として有名で,義経に従った後さまざまな活躍をしましたが,残念ながら両名とも再び飯坂の地に生きて戻ることはありませんでした。

さて,同地を治めていた佐藤基治は,文治5年(1189年),奥州征伐に北上した源頼朝軍と石那坂(場所については福島市内の飯坂説,平石説など複数あります。)で戦いで敗れ,その際大鳥城も落城したといいます。

この戦いの後,佐藤一族は赦され,しばらくの間同城で居城していたようですが,南北朝の時代になり伊勢地方に転封したとのことです。

その後,この大鳥城がどのように,いつ廃城したかは定かではありません。

なお,余談ですが,この大鳥城付近には現在「赤館」という地名が存在しますが,ここは,伊達家9代当主伊達政宗独眼竜政宗とは別人)が応永年間(1394年~1428年)に関東公方と戦った際の館ではないかとも考えられているとのことです。

さて,今回私がこの地を訪れたのは令和2年7月12日のお昼を過ぎた頃の話でしたが,その2日後の14日,地元新聞紙を見ていたところ,なんと,7月12日午後4時頃,この付近で体長1mのクマが目撃されたとの記事が・・・。

同地を訪れる際には,クマ除けアイテムを所持するなど,万全の準備をしてから訪れることをお勧めいたします。

参考資料
福島県の中世城舘跡(福島県教育委員会
ふくしま紀行 城と館(福島民報社