こんにちは,四十雀です。
今回は,私こと四十雀が新居を建てるまでの話,第十一夜となります。
時期:令和2年7月頃
前回までに,M社さんとM’社さんという二社から図面と見積書を依頼したところ,
①M社さん
延べ床面積約33坪 見積額約2000万円
②M’社さん
延べ床面積約28坪 見積額約2500万円
という内容で出してもらうことができました。
金額面,また,建物の大きさではM社さんが優勢であり,私達の心もM社さんに傾きかけていました。
ただ,私の心の中では,
①M社さんは代表者さんと少し意思疎通できにくい嫌いがあるし,あまり新居に対し提案をしてくれない
②M’社さんは担当者さんと意思疎通は良好で,細かい点まで相談できるし,新居に対し積極的かつ合理的に提案をしてくれる
と言う,目に見えない点での違いについて葛藤する気持ちがあったのも事実,正直,どちらの業者さんと契約を結ぶか,かなり悩んでおりました。
その時,この契約問題を打開するための良い考えが一つ,頭に浮かんだのです。
それは,以前に書いた「第二夜」でも少し話題に出たのですが,うちの細君の父親,つまり私の義父は現役の内装関係の職人さんで,間取り図や見積書に関する知識は豊富にある人物です。
ちょうど7月の連休が近く,また,ちょうど連休中,義父の仕事が休みである,とのことでしたので,一度,細君の実家に行き,義父の助言を受けることを検討,義父からも了承をもらいました。
そこで,あらかじめ図面や見積書をコピーし,細君が実家にそれを送り義父に見てもらい,その上で私達が細君の実家に訪れてみることにしました。
ア 細君の実家来訪
さて,この日,折角の遠出ということもあり,かなりの早朝に自宅のアパートを出発,細君の実家の近くの川で釣りをすることにしました。
ただ,これが裏目に出てしまいました。
なんと,細君が大事な資料を持参するのを忘れてしまったのです。
こればかりは仕方がありません。自宅のアパートと細君の実家を往復,資料を取りに行くことにしました。
少々トラブルはありましたが,なんとか早い時間に細君の実家に戻ることができ,義父とひざを突き合わせ話をしたところ,次のようなアドバイスを受けました。
それは,
①見たところ,M社の図面よりM’社の図面の方が理にかなっている
②M社の見積書は,工事内容が「一式」としていて内容が分からない(一枚紙の見積書である。)
それに対し,M’社の見積書は10数ページに渡っていて,かつ中身がきちんと書いていて良い
というものでした。
①の点については,先の話にも書いたとおり,素人の案をそのまま図面化したM社さんよりも,自社で変更してその理由を説明するM’社さんの方に私達は好感を抱いておりました。
また,②の点についても,実は以前,M社さんに詳細な内容を見積書に書いて欲しいと話をしたところ,後程提出すると言ってくれましたが,逆を言えば,こちらから言わないと出してくれないものなのかと思っていました。
上記の経緯を義父に話したところ,義父はさらに,そのような直感的な部分,インスピレーションも大事にした方が良い,とアドバイスをしてくれました。
その上で,M社さんの図面について,義父視点でおかしいと思われる場所を色々指摘してくれたのですが,その点について,ここでは割愛させていただきます。
このように,義父視点では,M社さんではなくM’社さんの図面の方が優れている旨の評価を得ましたが,やはり,一番のネックはM’社さんの方が見積額が高い点です。
その点についても悩んでいると,さらに義父より,
①そもそも,M’社さんの住宅設備はハイスペックの物ばかり選んでいる。住宅設備は所詮消耗品であり,ある程度ランクを下げても問題ない
②また,「施主支給」という形で,自分らで用意することもできる。無論,自分(義父)も協力する。
③せっかくの新築祝いなので,風呂くらいはプレゼントする
という提案がなされました。
実は,①については,一番使用するであろううちの細君に全部委任していました。
うちの細君はが住宅設備関係のメーカー展示場やカタログを調べ,その結果,クリナップの「ステディア」という製品を希望していたのです。
ただ,ステディアは一番良いランクの商品であるが,もう一ランクしたの「ラクエラ」ならかなり安価に買えるし,そこまで品質も悪くない旨,義父から諭され(正確には論破され),最終的にはしぶしぶながら,ラクエラを選択することに同意しました。
この義父提案のランクダウン,施主支給,そして風呂のプレゼント,この3つがあれば,M’社さんの見積もりの値段もかなり下がる可能性が出てきます。
そこで,すぐさまこの話をM’社さんにぶつけてみることにしました。
イ M’社さんとの打ち合わせ
うちの細君の実家に赴いてから数日の後,M’社さんに伺い,担当者さんに義父の示した3つの提案が可能か確認をしてみました。
最初に図面と見積書を出してもらった後,しばらく疎遠にしていて,その上で大分不躾なお願いに伺った訳ですが,M’社さんの担当者さんは嫌な顔一つせず話を聞いてくれ,しかも,3つの提案は全て了解,新たな図面と見積書を出してくれるということになりました。
ウ M社さんには・・・
さて,M’社さんに義父からの3つの提案をしたのであれば,M社さんにもするのが筋・・・とも考えましたが,実はそれは控えることにしました。
その理由としては,やはりコミュニケーションが取りにくい点があること,また,M社さんの図面は義父からの指摘事項が多く,それも含めた話をする必要があり,そうするとさらに最終版の図面や見積書が出てくるのが遅くなることが予想されたためです。
特に,施主支給をするには,施主(私)と業者さん(M社さん)との間のコミュニケーションが大事なのかな,と思われます。
それが出来にくいとなると,何か諸刃の剣になりそうで怖い・・・そんな気持ちが強かったこともあります。
エ 最終判断
このようなやりとりの結果,ついに見積もりが出されました。
内容としましては,
①M社さんの見積もり 約2500万円
②M’社さんの見積もり 約2300万円
(この金額は住宅設備を抜いた金額です。)
義父が手配した施主支給の住宅設備費用 100万円
という数字となりました。
ただ,注意して頂きたいのは,M社さんの見積書の中での住宅設備は,うちの細君が要望していたハイスペック品で,グレードを下げたり施主支給にすれば,まだ値段は大幅に下がる可能性はありました。
ただ,
①これまでにM社さんには何回も図面や見積書の再提出をお願いしていた。これ以上頼むのはさすがに心苦しかった。
②一番最後に出してもらった見積書も「一式」という形で,一応仕様書が別にあるものの,細かい施工単価が分からない点,少し不満があった
という事情があり,これ以上M社さんにお願いすることは諦めることにしました。
また,たいした話ではないですが,M社さんの図面にはロフト部分が抜けていたのも,不信感に拍車をかけた。
新居を建てる,ということは高い買い物をする訳であり,なるべく安くしたい・・・という気持ちが強くなりますが,しかし,それ以上に,契約する相手といかに信頼関係を結べるか,それもまた大事な話であると,今回の件でよく分かりました。
ここに,新居に関してはM’社さんと契約し建築を依頼することとする内容で,無事,業者選定の問題は終結することになりました。
(次回に続く)