こんにちは,四十雀です。
今回は,福島県の郷土料理である「いもがらけんちん」を作りたいと思います。
さて,このいもがらけんちんですが,その名のとおり「いもがら」(サトイモの茎を乾燥させたもの。)を用いて作るけんちんで,石川郡平田村(及び福島県中通り地方一円)で食べられている郷土料理です。
なお,今回,料理を作るに際しては,郡山女子大学の準教授(令和2年11月現在)である平出美穂子先生が書かれた「中通りの郷土料理」を参考にしています。
平出先生は福島県の食文化研究家でもあり,県内の料理に関する著書を数多く書かれており,私も何冊か所蔵しています(まだ持っていない本もありますが・・・。)。
今後,郷土料理レシピ系のブログを書く際には,平出先生の著書がバイブルとなる予定です。
では,早速料理を作ってみたいと思います。
今回使用するいもがらです。
このいもがら,自分らで購入した品ではなく,某イベントの商品としてもらったもので,どう使うか悩み,1年近く保管していたものですが,ようやく日の目を見ることができました。
まず,いもがらを水で洗ってみました。結構汚れが出ます。
これだけではどうも不安だったので,お湯を沸かした後,いもがらをお湯に浸し,汚れを揉み洗いします。
最初はカラカラに乾燥していたいもがらですが,水を吸った結果,とてつもなく大きくなりました(初めて使う食材でしたのでかなり驚きました。)。
今回使用する材料の1つ,ニンジンです。このニンジンは今年我が家で栽培・収穫したものです。
ニンジンの皮を剥き,短冊切りにします(私の手によるものなので,短冊切りというか細切りというか・・・微妙な形ですが,そこはまたご愛嬌と言うことで。)。
続いて用意するのはサトイモです。
本当は実家で栽培したサトイモを使用したいところでしたが,丁度畑に行った時実家の両親が留守で,勝手に持ってくるのもどうかと思い,結局市販品を使用しました。
サトイモも皮を剥き,短冊切りにします(細切りに見えるのはニンジンの時と同様です笑)。
続いて油揚げについても短冊切りにします。
そして,汚れを取ったいもがらは2cm位の大きさに切ります・・・が,少し水を吸いすぎたのか,どうも「ドロドロ」とまでは行かないまでも,ちょっと柔らかくなりすぎました。
いかに初めて使う食材とはいえ,少しショックです・・・。
とりあえず,気を取り直して,鍋を熱し油を投入,そこにいもがら・サトイモ・ニンジン・油揚げを投入,さっくりと炒めます。
いや~,鍋で炒め物をするなんて独身時代以来何年ぶりでしょう。独身時代はよく,カレーを作るのに鍋で具材を炒めました(ちなみにうちの細君はカレーの具材を炒めずに煮る派です。)。
ある程度具材に火が通ったら,ひたひたになるくらいの水を入れ,調味料を入れます。
調味料は,本によれば醤油,酒,砂糖とあり,まず最初,本のとおりとしてみました(ちなみに砂糖はパルスイートを使用しています。)。
ところが,何だか味がいまひとつ・・・昔ながらの味,という感じはしましたが,ちょっと我が家的には物足りません。
そこで,ここからはうちの細君と共同で我が家風の味付けにしてみることにしました。
具体的には,さらにみりんや市販の白だしを追加投入,自分らの味覚を頼みとして味を調えてみたところ・・・うん,良い感じになりました。
そして,中火で柔らかく汁気がなくなるまで煮込みます。
この際,定期的に鍋の中身をかき混ぜてあげた方が良いようです(底の方で具材が焦げ付いてしまうからです。)。
汁気がなくなれば完成品なります。
残念ながらいもがらはさらにトロトロに笑
多分,あまり水を吸わせないように洗い,もう少し「茎っぽさ」を残しながら作るものだと思います・・・。
見た目は少しアレかも知れませんが,とりあえず食べてみますと,まずイモガラ,癖はなく,調味料の味が染みて美味しく食べることができました。
無論,他の具材についてもよく味が染みており,総合的に美味しく出来たと思います。
思えば,いもがらというものは昔の野戦食(いもがらを帯のように編んで味噌で煮て,必要な時にちぎって食べるとのこと。)でもあり,備荒食糧でもあり,本来空腹を満たすことが本義,味は二の次かと考えていました。
ところが,いざ食べてみるとなかなか美味しい食材だと思います(栄養食品でもあるそうです。)。
少し手間はかかるところが難点ではありますが,興味がある方はぜひ一度,お試しください。
料理名
いもがらけんちん
【材料】
いもがら,ニンジン,サトイモ,油揚げ,醤油,砂糖,酒,みりん,白だし
【調理時間】
約1時間半
【備考】
味付けはお好みで