こんにちは、四十雀です。
さて、せっかく新年を迎えたこともありますので、今回、新たに「年中行事」というタイトルでまたよもやま話的ブログを書いていきたいと思います。
かつての日本では、1年の中で様々な年中行事が行われてきましたが、次第に行われなくなれ、人々の中から忘れ去られたものもあるかと思います。
そこで、古き良き日本の文化を残すため、色々とご紹介したいと考えた次第です。
なお、ここで紹介するのは、あくまで私が棲息する福島県に伝わる年中行事のため、他県ではちょっと違うかも知れません。
また、見ている文献の中には結構古いもの(明治期に書かれたもの)があり、いわゆる「新暦」と「旧暦」の違いにより季節感が「?」なんて内容になるかも知れませんが、その点はご了承ください。
さて、今回の年中行事は、「1月1日」、つまり元旦に行われるものについてご紹介したいと思います。
1月1日の年中行事
・若水汲み
この日の早朝、一家の主人や長男が井戸から水(若水)を汲んでくるもので、この若水でお湯を沸かしそれを神仏に供え、また、干し柿、甘栗、干し芋を食べながらお茶を飲みました。
なお、若水を汲む際には、
「何汲む 米汲む 黄金汲む 黄金サラサラ さっと汲み」
「何汲む 徳汲む 福を汲む」
「徳汲め 銭汲め 宝汲め」
など、地域差はありますが、おめでたい言葉を3回唱え、かつ、井戸の中に小さく切った米や洗米などを投げ込むということをしたそうです。
・屠蘇酒
屠は殺すこと、蘇は古代中国の悪鬼のことで、この酒を飲むことで悪鬼を倒すという意味で飲むものです。一説には、弘仁時代(810~823年)の嵯峨天皇の時代に伝来したとのこと。
時代や地方により処方が異なりますが、現代は白、桔梗、山椒、防風、肉桂、大黄を粉にして酒かみりんに一晩浸しておいたものが屠蘇酒で、正月の朝、家族の中で若い者から順に飲みました。
・店休め
少し前まではこの日は商家は店休めとして店を開けませんでしたが、段々廃れている話だと思います。
・掃除をしない
この日は終日、屋内の掃除はしません。
これは、新たに来た陽気を掃い捨てず、ゆっくり静養するという意味があるからだそうです。
・その他
江戸時代には、この日、武士が登城して藩主との間で年頭の祝いを行うのが通例だったようです。
その際には、武士(家臣)は熨斗あわびや雑煮、酒などがふるまわれたという話です。
武家社会の特別ボーナスという感じでしょうか。
このほか、1月1日はさまざまな行事が行われていたようですが、さすがにそのすべてのご紹介は難しいので、あくまで一例のご紹介とさせていただきます。