こんにちは、四十雀です。
今回、本ブログにおける新たなお題としまして、「暮らしに役立つ裁判所の手続」というコーナーを立ち上げてみることにしました。
これは、私が高校時代、法律関係の勉強を少しかじったことがあるのがきっかけで「裁判所」の手続に興味を抱き、色々調べてみたところ、結構実生活において役に立つ手続があるな~・・・と感じたことがきっかけ。
そこで現在、試作的に裁判所の手続に関する動画を不定期で作成しているところですが、さらにその内容を補完するためブログ化することを思い立ったというものです。
ちなみに、「高校時代に法律関係の勉強?」と書くとちょっと意外に思われる方がいるかも知れませんが、私が通う商業系の高校では「商法」や「民法」について軽く勉強したんですよね(本当に軽くですよ。)。
多少浅い知識で作成している点があるかも知れませんが、何らかのトラブルに巻き込また際にお役に立つ手続をご紹介する予定ですので、参考にしていただけますと幸いです。
さて、今回ご紹介する手続は「支払督促」という手続になります。
皆様の中には、例えば知人にお金を貸した、また、他社との取引の中で売買代金を回収できない等、お金にまつわるトラブルに見舞われた方もいるのではないかと思います。
このような場合、なかなか当人同士では解決(=お金の回収)ができない、なんて場合もありますよね・・・。
そんな時、公的機関である裁判所を利用することが考えられるのですが、複数あるお金の回収に関する手続の一つがこの「支払督促」となるのです。
これは分かりやすく言えば「書面による裁判」のような手続で、金銭の請求に関する手続については、必要な事項を記載した申立書をお金を貸した側、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に申立てをすると、簡易裁判所から債務者に「支払督促」(督促状)を送る、という手続になります。
この手続のメリットは、
①裁判に比べて申立書の書き方が簡単(弁護士や司法書士など専門家を利用しなくても書類の作成が可能)
②裁判に比べて手数料が安い(手数料は裁判の半額)
③デメリットにも書く、債務者が異議を出さなければ裁判所に出頭しなくて済む
という点があります。
支払督促は手順としてはまず、
ⅰ裁判所に申立てをする
ⅱ裁判所から支払督促正本が債務者に送達される
ⅲ送達後2週間経過しても債務者が支払わない
ⅳ一定期間内に仮執行宣言付支払督促の申立てをする
ⅴ裁判所から仮執行宣言付支払督促正本が債務者に送達される
ⅵ送達後2週間経過すると確定する
という流れで、確定した仮執行宣言付支払督促正本は判決書と同じ効力を有することになります。
ちなみに、仮執行宣言付支払督促が発付されてもなお、債務者が金銭の支払をしないような場合には最終的な手段である強制執行をすることも可能となります。
このように、メリットの多い支払督促ですが、もちろんメリットがあるからにはデメリットもあります。
特に、一番のデメリットは、「債務者が異議申立てをすると裁判の手続に移行する」という点になるでしょうか。
裁判に移行した場合、裁判と比べて半額だった手数料が裁判と同じ額、つまり残りの半額を納付する必要が出てくるほか、裁判所にも出頭したり証拠を出したりしなければならないという点もデメリットですね。
また、支払督促は金銭の請求についてのみ行える手続で、例えば「物を引き渡せ」、「土地を明け渡せ」というような請求に対しては利用することはできません。
ただ、それでも、「公的機関を通し手続を行う」、「裁判所を通じて作成された書面は強力な効果を有する(強制執行ができる)」というメリットもあるのも事実。
もし、金銭に関するトラブルに見舞われた際には、支払督促の手続を取ることを検討してはいかがでしょうか。