こんにちは、四十雀です。
さて、先にご紹介いたしました「暮らしに役立つ裁判所の手続」では、家庭裁判所の「離婚調停」について、動画及び補足ブログを少し書かせていただきました。
sizyuukara-1979.hatenablog.com
ところで、離婚調停を始めとする家庭裁判所で取扱う調停や審判事件は、手続に関係する者、例えば相手方や一定の利害がある者は「事件の記録」を見ることが可能です(申請して許可されれば、ですが。)。
事件の記録は当事者が提出した資料等で構成されていますが、これら資料の中には、事情・・・例えば相手方からDV被害を受け身を隠している等・・・により、相手方等に見せたくない内容が含まれている場合もあります。
そのような場合活用できるのが「非開示希望の申出」という制度。
これは、例えば、相手方に住所を知られたくないような場合、本来の住所について非開示を希望する(申立書には相手方に知られて良い住所を書く)申出を家庭裁判所にするというものです。
非開示を希望する情報を家庭裁判所にあらかじめ知らせることにより、その情報が知られるのを防ぐわけです。
ただ、注意していただきたいのは、「非開示希望の申出を出す」だけでOKではありません。
申出をした上で、さらに自身が家庭裁判所に提出する資料を逐一精査、相手方に知られたくはない内容が書かれていないか確認、書いてあればマスキングテープ等で消した上で資料を出すことが必要なのです。
自分の身は自分で守る、が鉄則ですね…。
なお、非開示希望の申出、は主に家庭裁判所の手続でよく使われますが、理論的には裁判所の手続全般で使うことは可能です。
ただ、どの手続においても、何でもかんでも非開示希望の申出をして認められる訳ではない(その情報が分からないと相手方が反論出来ない場合など)点、注意した方が良いですね。
私個人としては、家庭裁判所の手続を利用するような場合で、相手方からの暴力(DV)等からやむを得ず身を守る際に利用するのが一番良い申出の一つかと考えております。
このような悩みを抱えている方について、ご自身の身を守りつつ裁判所の手続を取る一助になれば幸いです。