こんにちは、四十雀です。
今回は、ADRについて、少しつぶやかせてもらえればと思います。
なかなか聞きなれない言葉であるADR、これは、「Alternative(代替的)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」、それぞれの頭文字を取ったもので、日本語的には「裁判外紛争解決手続」と訳されているもの。
これは、お金の貸し借りのような紛争が発生した場合、ハードルが高いらしい裁判よりも簡便にできる手続として作られた制度だそうで、その紛争の内容により選択できる種類があるそうです。
なぜ今回、ADRのことをつぶやくことにしたか、と言いますと、私の知人がADRに相談に行きたいけど不安、ということなので、私もその相談について行くことにしたためです。
今回、知人が相談に来たのは「原子力損害賠償紛争解決(ADR)センター」。
これは、平成23年3月11日に発生した、東日本大地震に伴う原発事故により損害を受け、その賠償を東京電力に求めたい、または求めたが話にならない場合利用できる文部科学省が母体の国の機関とのこと。
www.mext.go.jp
手続にかかる費用は無料で、申立書を出すことにより手続が開始、弁護士資格を持つ職員が間に入って取り持ってくれるそうです。
ここでは、知人がどんな損害賠償の相談をしたかは書けませんが、もらった和解事例の抜粋や話を聞いたところでは、色々なものがあるようです。
例えば、福島県民だけではなく他県に住んでいた方で、除染にかかった費用などを請求していたり、変わった話だと、自家製野菜が食べれなくなった(スーパーなどで買うようになり費用がかかった。)なんてのもあるそうです。
なんとなく原発事故による損害というもの、よくニュースでやっている裁判の内容、放射線物質のため住めなくなったことに対する精神的な損害、また、自主避難した費用の請求などくらいしかないかな、と思っていましたが、どうもそうではなく、多岐に渡るようです。
それだけ、あの原発事故の被害というものが甚大で、間もなく10年近く経つ今も、まだまだそれに伴う損害が解決してないんだな、なんて感じました。
私は幸いにも原発事故に伴う被害はなかった(もっとも、一時期、実家の放射線物質の数値が高かったように記憶しています。)ですが、あまり他人事ではないように感じます。
一日も早く、すべての賠償が解決することを願うばかりです。
(令和3年2月10日)