こんにちは,四十雀です。
今回は,会津の山塩についてのご紹介をしたいと思います。
喜多方市から国道459号線を利用すると北塩原村,そして裏磐梯に向かうことができますが,その途中,こんな看板を目にすることが出来ます。
この界隈では,有名な「会津の山塩」が現在も生産されているのです(なお,山塩自体は,裏磐梯にある「道の駅裏磐梯」さんなどで購入することが可能です。)
道の駅裏磐梯さんで販売されている山塩の一例です。
山国の会津地方ですが,「北塩原」の地名を始め,現在も「熱塩」,「大塩」,「塩川」の地名が残ることから分かるように,昔から製塩が盛んな地でした。特に,国道459号線沿いにある大塩裏磐梯温泉での製塩は盛んでした。
現在に残る製塩の井戸です。
ただし,元々の井戸は別の場所にあったようで,現在の井戸は残念ながら移転後のものです。
さて,この井戸には,次のような歴史が伝わります。
弘仁3年(813年),この地を訪れた弘法大師空海が同地で塩が乏しいのを憐れみ,護摩壇を設け祈祷の末に湧き出させたという伝説が残ります(なお,大塩裏磐梯温泉で塩分が多いのは,この地の地下の地層で古代の海水成分が溶け出し地下水に浸透した結果とのことです。)。
その後,製塩がされるようになるのですが,記録によれば,一つの井戸からは一昼夜65石の塩水が,また,村内にある8つの井戸では500石の塩水が採取されたとのことです(1石=約180ℓ。)。
そして,この塩水を煮詰めて出来た塩は年間6000俵にもなったとのことです(なお,お米一俵で60Kgであり,塩の一俵はそれよりも重い可能性がありますが,仮に同等の重さとした場合,現在の日本人の塩の一年間の需要は約10Kgと言われているので,約36000人分の塩がまかなえる計算となります。)。
この製塩ですが,塩の専売化(明治38年(1905年)開始,(平成9年(1997年)廃止)により一度は途絶えたとのことですが,現在は有志の方々の手により復活,年間約2tの山塩が製塩されているとのことです。
最後に,現在この山塩を利用した塩ラーメンが裏磐梯各所で食べることが出来ます。
山塩は普通の塩よりも塩分濃度が低いようで,とてもあっさりして食べやすい,美味しいラーメンだと私は感じています。
興味のある方はぜひ一度味わってください。
透き通るようなスープは控えめなしょっぱさで,とても麺と絡み合い美味しく食べることができます。
参考資料
会津ちょっといい歴史(歴史春秋社)
その他