こんにちは,四十雀です。
今回は,郡山市の「鯉」の食文化の歴史についてご紹介したいと思います。
鯉を食べる・・・と言われても,あまりピンと来ない人の方が多いかと思いますが,実は,郡山市内のスーパーでは,結構普通に鯉が販売されています。
今回のために初めて購入した鯉のあらいです。酢味噌を使い食べます。
なお,鯉のあらいのほか,甘露煮等が販売されていることもあります。
郡山市が鯉の生産量(養殖)全国一位であることは割りと知られている話で,市役所には「農林部園芸畜産振興課鯉係」がある程です。
では,なぜ郡山市は鯉の生産量が多いのでしょうか。
まず,鯉の養殖をするためには池が必要です。現在の郡山市には池が多くありますが,これらの池の多くは,江戸時代に新田開発のためのかんがい用に作られました。
その代表としては,私も野鳥撮影でよく訪れる酒蓋池や荒池,五百渕が挙げられます。
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これらの池は,明治時代になり,有名な安積疎水が開削されると使われなくなり,変わりに鯉が養殖されるようになったといいます(鯉の餌となる「蚕のさなぎ」が入手しやすかったこともその理由といいます。)。
そして現在に至るまで鯉の養殖が続き,生産量日本一を誇るまでに至ったとのことです(なお,上記酒蓋池や荒池,五百渕は現在公園化しており,鯉の養殖はしていません。以前別稿でご紹介した「美女ヶ池」などでは,現在も鯉の養殖が続いています(私有地につき注意)。)。
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鯉料理と言えば,鯉のあらい,鯉こく,鯉の甘露煮などが有名かと思いますが,郡山市内の飲食店では,鯉食を普及させるため,色々な創作料理を提供されているお店があります(例えば鯉のなめろうなど。)。
また,鯉は,食べると母乳の出がよくなる,という話をよく聞きますが,その他,
①糖尿病や腎臓病の食事療法
②肝臓を守る最良食品
③緑内障から目を守る
④血流改善
⑤腰痛や関節の痛みを改善
⑥婦人病への効能
があるとされています。
興味がある方は,ぜひお試しの程を。
なお,鯉という魚は大食漢な魚で,かつ,比較的水質汚染にも強く,元々生息していた鯉と安易に交配し遺伝子汚染してしまうため,現在は安易な放流は慎むべきとされています。
また,野生の鯉(ノゴイ)と養殖の鯉は,そもそも別種の可能性があるとされています(写真のように,体高の低い鯉がノゴイで,性質自体に違いがあるといいます。)。
興味のある方は,ぜひ鯉の生態についても調べてみてください。
参考資料
安積歴史入門(歴史春秋社)
その他